当社は、慶應義塾大学および理化学研究所との間において、新型コロナウイルスにおける重症化予測モデル開発に関する共同研究を開始したことを、下記のとおりお知らせいたします。
■背景
SARS-CoV-2 により引き起こされた新型コロナウイルス「COVID-19」は、11 月9日時点で世界全体の感染者数が 5,000 万人を超す世界的なパンデミックを引き起こしており、死者数もこれに伴い増加し125 万人以上となっています。COVID-19 によって症状が重症化する患者は、初期段階では普通の風邪のような症状から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別が難しいというのが現状です(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症専門家会議」より)。よって、早期段階での重症化予測が、ICU の利用や人工呼吸器などの適切な治療を促進するうえで重要な課題となっています。
■本研究について
当社が保有する診療報酬データ(レセプトデータ)には、病院等で診断がなされた内容や施された処置等の情報が含まれます。
本研究では、「患者の性別、年代情報とレセプトデータによる過去の既往症・治療・健診データ」を使用して、機械学習手法により数分で新型コロナウイルスの重症化リスク予測を行う手法を開発します。
■本研究の実施予定
2020 年 10 月より、利用許諾を得ているデータの一部から、研究の事前検証及び簡易モデルの作成を実施しています。そこから、特定の疾患における罹患歴や薬剤の使用歴が重症化リスクの予測に関係性があるという結果が得られています。11 月以降はデータ量を増やし、ビッグデータ解析を行ったうえでモデルの精緻化を検討実施していきます。
また、本研究で作成したモデルは、新型コロナウイルスの第3波に備えて医療関係者が利用できる形へ整形し、重症化しやすい人へ優先的に医療資源を分配するなどの計画立案へ貢献することを検討しています。さらに一般の方も利用しやすく、重症化しやすい人への注意喚起ツールとしての利用方法も併せて検討しています。
■本研究に関するお問い合わせ先
日本システム技術株式会社 ライフイノベーションLab
TEL:03-6718-2785
URL:https://www.jast.jp/