【共同研究中間報告】慶應義塾大学、理化学研究所との新型コロナウイルスに関する共同研究ついて

 

 弊社と医療ビッグデータを活用した産学共同研究を実施している慶應義塾大学経済学部 星野崇宏教授、理化学研究との共同研究の中間報告についてご報告させていただきます。

■研究テーマ
『診療報酬データや健診データ等を利用して、機械学習により数分で新型コロナウイルスの重症化リスク予測を行う手法を研究開発』

■研究概要
昨年より猛威を振るっている新型コロナウイルス「COVID-19」について、当社は2020 年 11 月より慶應義塾大学および理化学研究所との間において、新型コロナウイルスにおける重症化予測モデル開発に関する共同研究を実施しております。
 https://www.jast.jp/cms/wp-content/uploads/2020/11/notice20201118.pdf

本研究では、利用許諾を得て匿名加工した当社が保有する診療報酬データ(レセプトデータ:病院等で診断がなされた内容や施された処置等の情報が含まれる)や健診データ等を利用して、機械学習により数分で新型コロナウイルスの重症化リスク予測を行う手法を開発しています。

■研究の成果(中間報告)
昨年度は新型コロナウイルス患者の傾向分析を含めたレセプトのデータ解析と、その結果を用いた重症化リスク予測モデルの開発を実施してまいりました。データ解析では、主に若年層において重症化に繋がるサインをレセプトから発見することができるかというテーマを重点的に調査しました。その成果として、一般的に提唱されている性別間や年齢上昇による重症化リスクの関連性、および生活習慣病との関連性がみられる結果に加え、年代層ごとの重症化リスク要因の違いという新規性の高い結果が得られました。特に、20 代から 30 代前半における特徴的な重症化パターンを捉えることができました。
 上記を踏まえた重症化リスク予測モデルの開発を、利用可能なレセプトデータを元に実施しました。その成果として、検証用データにて「重症化する確率が高い」と判定された新型コロナウイルス患者の上位 10%において、70%以上の正答率(実際に重症化した割合)を記録するに至りました。以上2点の成果について、今後レセプトデータがさらに増えることで、データ解析や重症化予測の精度が高まることも確認しております。

■今後の展望
 2021年度も継続して研究を実施することで、データ量の増加による精度向上や第2波第3波の影響調査も踏まえた予測モデルの改良を進めてまいります。なお、本研究の内容公表につきましては、8月を目途に論文誌への掲載を準備中であり、11月末に開催される日本薬剤疫学会において発表報告も検討しております。実運用につきましては、ワクチン接種の効果検証や研究内容の保険者提供も検討しながら、自治体や保険者との共同研究も検討中です。医療関係者が利用できる形への模索と、一般の方も利用しやすいツールへの組み込みも合わせて検討を進めてまいります。

関連記事

カテゴリー

アーカイブ