2018年6月に「働き方改革関連法案」が成立するなど、日本では長時間労働を改善しようとする動きが強まっています。一方で2025年には国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えると言われており、生産労働人口の減少という問題を抱えています。そのため、保険者業務における生産性の向上が求められています。
この問題に対して、ロボットが人の代わりに業務をこなすRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目されています。
本レポートでは、日本システム技術株式会社(以下、JAST)が業務の生産性を高めるために取り組んでいる「RPA技術を駆使した再審査請求業務自動化への取り組み」について紹介をします。
目次
1 | RPAとは
2 | RPAの導入実績
3 | JMICSを使ったレセプト点検業務自動化の可能性
4 | 導入メリット
1.RPAとは
まず、RPAとは何かということを簡単に説明します。
RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、定めた手順にしたがって動作するロボットを用い、人が行う業務を自動化する技術です。
RPAでは、あらかじめ処理手順を登録しておくと、人が操作するときと同じようにユーザー・インタフェースを通じて、複数のシステムやアプリケーションを操作することができます。処理手順として登録できる操作には画面上のボタンクリックや、データやテキストの入力など、普段の業務で人が行う操作が多くあるので、プログラミングの知識がない人でも直感的に処理手順を登録することができます。そのため自動化にかかる負担は大きくありません。
処理手順がある程度決まっている定例業務をRPAに任せることで、人は人にしか行えない業務に時間を割くことができるようになると期待されています。

2.RPAの導入実績
次に、JASTが行った国保でのRPA導入実績を紹介します。
国保ではJASTのレセプト点検システム「JMICS」を用いて自動点検を行い、点検結果内訳表を作成します。その内訳表を国保設置のパソコンに送り、点検者が内訳表を目で見て、専用システムに入力することで、再審査請求を行っていました(図2)。
そこへRPAを導入することで、内訳表の内容をロボットが取得し、専用システムに自動で入力するようになりました(図3)。


RPAの導入で人件費と作業期間の圧縮に成功!
→某地方自治体では作業期間を半分以下に短縮!
3.JMICSを使ったレセプト点検業務自動化の可能性
ここで、RPA技術の可能性として、RPA技術とJASTの「JMICS」を組み合わせたレセプト点検業務の自動化について紹介します。現在、JMICSを使用の健康保険組合では、JMICSシステムの操作にてレセプト点検業務を行っています(図4)。
この業務にRPA技術を導入することで、受領したレセプトデータを所定のフォルダに格納し、ツールを起動するだけで再審査請求ファイルの作成までを自動化できます(図5)。


4. 導入メリット
最後にRPA導入のメリットをご紹介します。
・定例業務をRPAに任せることで、人は人にしかできない作業に集中できる。
・作業担当者による業務効率の差を削減できる。
・人的なミスを防止できる。
・24時間稼働させられる
RPA導入に関するお問い合わせは以下よりご連絡ください。レセプト点検業務に限らず様々な保険者様の業務において有効になると考えております。まずはご相談ください。